時には、1日1日があっという間に過ぎ去り、時間の感覚が無くなってしまうことがあります。そんな時、腕につけた時計を見て、必要な情報を瞬時に手に入れることができるのです。このような理由から、カレンダーウォッチはコレクターや時計愛好家の間で常に人気を集めています。しかし、すべてのカレンダーウォッチが同じ機能を備えているわけではありません。時計に搭載されているカレンダー機能には、単純なものから複雑なものまで、それぞれ微妙に異なる種類があります。
スタンダードカレンダー
最もシンプルなカレンダーコンプリケーションは日付のみが表示されるタイプで、1~31までの日数を毎日刻みます。時計の標準的なカレンダーでは、曜日と日付、さらには月表示を備えているものもあります。通常、これらの情報は文字盤の開口部に表示されたり、日付用のサブディスクまたはチャプターリングで指示用の針によって表示されます。当月が31日よりも前に終わる場合、着用者は通常、翌月の初日に手動で日付を変更する必要があります。たとえば、9月は30日しかないため、10月1日になると日付ディスクを31日から1日に設定し直す必要があります。
アニュアルカレンダー
アニュアルカレンダーは、30日と31日の月を判別して日付を先送りにするなど、毎月自動的に修正を行います。ただし、2月はほかの月よりも短いため、3月1日を迎えると着用者は一度調節を行う必要があります(うるう年も同様です)。ほぼ毎月調整を行うよりも、年に1度だけ調整を行う方が多くの人にとって好ましいことなのです。
パーペチュアルカレンダー
最も高度な複雑機構であるパーペチュアルカレンダーは、うるう年を考慮した2100年まで着用者による調整を必要とせず、日付、曜日、月、などの情報を自動的に修正します。2100年は、例外として、暦を実際の時間に合わせるため、うるう年ではなく平年になります。これが、2100年3月1日に時計の調整が必要となる理由です。また、パーペチュアルカレンダーは、一般的に日付、曜日、月以外にも多くの情報を表示します。ムーンフェイズ表示やうるう年表示など、さまざまな情報を表示することが可能です。このような複雑機構を備えた時計には、何百もの小さな機械部品が使用されており、一般的なカレンダーやアニュアルカレンダーよりも組み立てに時間がかかります。
カレンダーとの組み合わせ
カレンダーはクロノグラフやムーンフェイズ表示など、他の小さなコンプリケーションと組み合せることでその魅力を増す場合もあります。たとえば、ロンジン マスター コレクションには、ポインター針で日付を表示するサブダイアルを備えていたり、中央にムーンフェイズ表示を備えたモデルもあります。また、コラムホイール式のクロノグラフモデルには、日付・月表示にムーンフェイズ表示を組み合わせたものもあります。
カレンダーに関する注意事項
上記のすべての例で、機械式時計は一貫して動作し続ける必要があります。パワーが低下して時計が停止した場合、着用者はそれぞれのタイプのカレンダーを再設定しなければなりません。